シンギュラリティ
目まぐるしく変わっていく現代社会の中で、「未来を見据える」ことは、仕事やビジネスを行う上で、もはや最重要項目と言っても過言ではありません。
元ライブドア社長の堀江貴文氏がこう言っています。
「未来は誰もわからないっていうけど、僕は正しい情報を仕入れることで、未来は見えてくると思っています。
100%正確に予測することは出来なくても、その可能性は、情報の質量を上げることで、格段にあがってくるんです。」
シンギュラリティという言葉をご存じですか?
シンギュラリティとは、日本語に訳すと、「技術的特異点」といって、
「2045年にコンピュータの知性が人間の知性と融合して、人類は新たな進化を遂げる。」
というものです。簡単にいうと、
人間の脳と人口知能が融合して、新しい人間の形が出来るということです。
このような現象をシンギュラリティと言います。
押井守監督のアニメ映画「攻殻機動隊」や
キアヌ・リーブス主演の映画「マトリックス」のような人間が生まれるということです。
例えばですが、インドからお客さんがくるから、急遽インド語をしゃべらないといけないという場合、
インド語の情報を詰め込んだハードディスクデータを脳に吸い上げれば、
一瞬で喋れるようになるというような感じです。
人口知能が、単純に人間の知性を超えてくるのは2023年ごろであると予測されています。
この段階はプレシンギュラリティと呼ばれていて、この頃には人間に代わってロボットが仕事を普通にしている世の中になっていると考えらえています。
そのあと2045年ごろに、人間と人口知能が融合して、人類は進化史において、最大の劇的な進化を遂げて新たなフェーズに突入するということなんです。
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このシンギュラリティを提唱したのはレイ・カーツワイルというアメリカの未来学者。未来学者って何??なんか胡散臭い肩書きですよね。
世の中には、たくさんの未来学者または未来科学者と呼ばれる人たちがいますが、
彼らは簡単にいうと、未来を考える人・研究する人・検証する人です。
このカーツワイル氏ももちろんそういうことをしているのですが、
彼が他の未来学者と決定的に違うことがあります。
それは自ら提唱した未来を、自ら創り出していく発明家であり、技術者でもあるということです。
ハイスクール時代からその活動は注目を集め、コンピュータにクラッシック曲の自動作曲をおこなわせて、国際科学フェアで優勝。当時のジョンソン大統領から表彰を受ける。
その後マサチューセッツ工科大学に進み20歳で会社を設立し、
その後も10社以上の会社を作って発明を重ねて、1999年にはアメリカ大統領のビル・クリントンから、国家技術メダルを与えられる。
2002年には「発明家の殿堂」入りを果たして、19の名誉博士号を与えられているという、米国を代表する知的財産なのです。
そんなカーツワイル氏が提唱している情報だけに、この「シンギュラリティ」という概念は、各界から非常に重く、信憑性が高いものとして捉えられています。
今現在、世界の多国籍企業はこぞって人口知能の開発に莫大なお金を使っている。グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト等。
スーパーコンピューターの演算速度は毎年2倍のスピードで上がっていおり、
ソフトバンクの孫正義は2020年には人間脳を人口脳が超えてくるとも言っています。
これらの事実からも、この「シンギュラリティ」というものは、占いでも宗教でもなくて、テクノロジーの進化の行く先として、現実にやってくる可能性は極めて高いと言えます。
この「シンギュラリティ」は今から12年も前に発刊された名著「ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき」という本で提唱されており、この本では衝撃的なことが書かれている。
カーツワイル氏は人類は6つの進化段階を経て「宇宙は覚醒する」と言っている。
「宇宙に覚醒する」と言われても、それどういうこと??なのだが、
ひとまず置いておくとして、その6つの人類の進化段階をみていきましょう。
6つの進化段階 | |
---|---|
第1の進化段階 | 「物理と科学」 DNAが進化 |
第2の進化段階 | 「生命」 脳が進化 |
第3の進化段階 | 「脳」 テクノロジーが進化 |
第4の進化段階 | 「テクノロジー」 テクノロジーが生物学的手法を習得する |
第5の進化段階 | 「テクノロジーと人類の知性は融合する」 人間が作り出したテクノロジー群に人間の知性を含む生物学的手法が統合される |
第6の進化段階 | 「宇宙は覚醒する」 宇宙の物質とエネルギーのパターンが知的プロセスと知識により飽和する |
生物学的なヒトの進化を、この表で当てはめてみると、2017年現在は第4の進化段階であると解釈できます。
で、2045年のシンギュラリティは第5の進化段階であるということでしょう。
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ここでひとつ触れておかないといけないことが、
この進化の進歩は「指数関数的」に伸びていくということです。
指数関数というのは、
こういったカーブを描く、成長ラインのことです。
このラインに人類の進化段階を当てはめると、
第1・第2・第3段階は緩やかにゆっくり上昇しているあたりで、
第4段階がちょうどカーブを描いて急激に上がっていくところに当てはまります。
なので、第5段階への到達は圧倒的なスピードをもって成されるというわけです。
カーツ・ワイル氏はこう言います。
「我々は歴史上、最も数奇なタイミングに生を受けている」
プレ・シンギュラリティ
そして、この「シンギュラリティ」はいきなり起こるものではなくて、2025年ごろからの「プレ・シンギュラリティ」を経て爆発的に起こるということを唱えたのが、スーパーコンピュータ開発者・次世代の汎用人工知能の研究者、斎藤元章氏である。
齊藤氏は、日本初のスパコン開発のベンチャー起業家で、同社と理化学研究所とで開発したスパコン「Shoubu」は、最新のスーパーコンピュータランキングにおいて、3期連続で世界第1位となった実績を持つ。
彼が2014年に発刊し話題になった著書「エクサスケールの衝撃」では、未来の生活について、とんでもない予測が立てられている。
エクサスケールとは、コンピュータの演算数の単位のことで、
今現在、我々が生活上でつかっているのはギガ、あるいはテラスケールということになる。
ギガスケール
テラスケール
ペタスケール
エクサスケール
ゼッタスケール
ヨッタスケール
という順で、大きくなるにつれて単位が変わっていく。
スーパーコンピュータがエクサスケールまで達してAIと結びついたら、
生活はどうなるのか?
本にある表題たちをザックリ抜粋すると、
・衣・食・住がフリーになる
・お金から解放される
・人類は不老を得る
・新しい価値観が生まれる
という、劇的すぎる、感動的すぎる内容になっている。
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この内容をここでお伝えするには、あまりにも膨大な情報量になるので、
気になった方は、是非本をチェックしてみてください。
本家カーツ・ワイル氏の書いた「ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき」を読むのもいいですし、
抜粋版である「「シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき」は、お手頃に簡単に、シンギュラリティを理解できます。
私がお勧めするのは斎藤氏の「エクサスケールの衝撃」です。
人生の中で、一番衝撃を受けた本かもしれません。
カーツ・ワイル氏の本を分かりやすくスーパーコンピュータの内容も交えて説明しています。
この「エクサスケールの衝撃」の要約版も発刊されています。
『エクサスケールの衝撃』抜粋版 プレ・シンギュラリティ 人工知能とスパコンによる社会的特異点が迫る
あとがき
私は子供がいませんが、子供がいる友達にはシンギュラリティへの理解を進んで勧めています。
でも、そういう普通の幸せな暮らしをしている友人ほど、こういうことって知らないんですよね。
知らないし、あまり劇的に変化する未来を待っていないというか、目を背けている様な印象も受けます。
これは、子供たちが大人になる頃のお話なんで、親たちには絶対知っていて欲しいですからね。
知った上で、自分の脳で情報をしっかり精査して、どういう子育てをしようか?って色々考えていく必要があるのではないでしょうか。